令和4年度(2022年)より教科担任制導入決定
令和4年度(2022年)より、全国の公立小学校の高学年に対し、教科担任制を導入されることが決まった。対象は5・6年生で、専門性を持った先生が教えることで、よりわかりやすく、質の高い授業になり、子どもの理解度を高め、学力向上につながるというのが最大の目的である。
教科担任制の目的
教員の指導力・児童の学力向上
教材研究がより深くなり、専門性をもった教師がより多様な授業を展開することができ、児童の学ぶ意欲向上や、基礎学力の定着に繋がる。
複数の教師による多面的な児童理解
教科ごとに先生が変わるため児童をより多面的に観ることができ、児童の心の安定に繋がる。
中1ギャップ
中学校に入学して不登校になる・勉強が嫌いになる原因の大きな1つとして「中1ギャップ」がある。小学校まではほとんどの授業で担任の先生が授業をしてくれていたが、中学校では急に教科ごとに教える先生が変わり戸惑ってしまう生徒も多い。早いうちに担任の先生意外の、複数の先生と関係を持つことは中1ギャップに効果がありそうだ。
教員の働き方改革
小学校ではクラスのほとんどの授業を担任の先生が受け持つため、授業準備が多くなり、そのための時間も無い。教科担任制にすることで、同じ授業を各クラスで出来るので授業準備が減り、より専門的な授業が期待される。授業の無い時間ができ、事務作業や採点なども進められる。
導入への問題点
児童と先生の距離
より多くの先生が関わっていけるというメリットがある一方で、担任の先生の目の行き届かないところが出てくるといったデメリットもある。「小学生には、1人の先生が積極的に関わって成長を見守るべき」との意見もある中での運用は慎重に議論すべきである。担任と各教科の先生が頻繁に話し合い、情報共有や相談を欠かさないようしなければならない。そのための情報共有システムを構築していかなければならない。
人材の確保
教員数を増加 文部科学省
文部科学省は、2022年度から4年間かけて教員を約8800人増員する見込み。初年度はこのうち2000人を増やすことにし、22年度当初予算の概算要求に人件費として約44億円を計上している。
中学校教員活用!? 財務省
文部科学省が2022年度から公立小学校の高学年に本格導入する「教科担任制」について、財務省は1日、中学校の教員活用を求めた。小規模な中学校では教員1人当たりの授業時間が極端に少ないと指摘し、教員の定員増を目指す文科省をけん制した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA29AHC0Z21C21A0000000/
引用元:日本経済新聞
中学校教員は今以上にブラックな時代が訪れるかもしれない。
文部科学省と財務省の意見の違いはどう決着がつくのだろうか。
小学校教科担任制導入、教員増員計画の半数以下?ブラック化の懸念も
まとめ
小学校での教科担任制導入は児童にとってメリットが多く導入を前向きに進めているが、昨今の教員不足の影響もある中より教員増加となると人材確保・予算確保が難点である。また中学校教員活用となると中学校教員の負担が今以上に増え、新たな問題が生じるのは目に見えている。