教師

【学校の先生は大変】教員のアンガーマネジメント~ストレスを爆発させるな~

アンガーマネジメントとは

アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで開発された、怒りの感情と上手に付き合う(マネジメントする)ための心理トレーニングです。アンガーマネジメントを学ぶことによって、自分自身の怒りを理解し、感情のコントロールをしたり、ポジティブな考えを生み出せ、また周囲との良好な人間関係を成立させることができます。プログラム開発当初は、DVや差別、軽犯罪者に対する矯正プログラムとしてカリフォルニア州を中心に確立され、現在では全米の教育機関や企業でも広く導入され、教育・職場環境の改善、学習・業務パフォーマンスの向上を目的に、長年活用されています。

近年アンガーマネジメントは、日本をはじめ世界でもその重要性を認められ、公的機関や企業、教育現場、医療現場などで導入が始まっています。日本でも、世界最大組織であるナショナルアンガーマネジメント協会(アメリカ)の日本支部として、2011年6月に一般社団法人日本アンガーマネジメント協会を設立させ、文部科学省も重要視する「アンガーマネジメント」を社会に浸透させています。

引用元:一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会

なぜ教員にアンガーマネジメントが必要なのか

先生の怒りは教師・生徒間の関係を壊してしまう

怒りは強い攻撃性を持っているので、生徒の心理的安全性を奪うことになります。

先生への警戒心や恐怖心が強まり、不信感へ繋がっていきます。

目まぐるしく多忙な日々で、先生達も感情的に怒ってしまうことがあるかもしれません。しかし、それは良い指導ではありません。

感情的に怒るのではなく、生徒のことを想って叱ってあげるようにしましょう。

先生達の”怒り”はどうして生まれるのでしょうか

「べき」という考えから生まれる

「こうしなきゃダメだ!」と思うことから、そうしない生徒へ怒りを感じてしまいます。

「べき」という考え方には大きな個人差があります。先生や生徒とでは、育ってきた時代も環境も違います。まずは感情を抑えて、受け入れることが大事です。

防衛感情から生まれる

自分や他人のことを悪く言われると怒ってしまうことがあると思います。
怒りは二次感情と言われています。
最初に出てくる感情は、悲しいとか虚しいとか、その感情の次に自分が怒ることを選んでいるのです。

自分の授業や話を批判された。

自分が頑張って準備した授業をつまらなさそうにしている生徒がいる。

生徒から鋭い指摘をされてしまった。

悲しかったり虚しかったりする気持ちから、怒ってはいませんか?

これは、身近な生徒にこそ強く出てしまう感情です。自分が担任をする学級の生徒、自分が指導する部活動の生徒などです。

身近な生徒にほど強く出てしまうのは先生が生徒に対して甘えているからです。これくらい言っても大丈夫、取り返せる、傷つかない、理解してくれると勝手に考えているからです。しかし傷つけてしまうの方が多いです。

怒りが出そうになった時の対処法

6秒心の中で数え待つ

感情に理性が追いつくのは6秒後だと言われています。
6秒待って理性に働かせることによって、衝動的な怒りを回避することができるかもしれません。

数値化する

怒りの度合いを0〜10の間で点数を付けてみましょう。
全く怒りが無いのを0点、死ぬほど許せないことを10点としたときに、今回の事案が何点になるのか考えてみましょう。
ほとんどの場合2,3点になるのではないのでしょうか。

合言葉を決めておく

怒りを感じそうになったときに、自分に言い聞かせる、自分の怒りが緩和されそうな言葉を決めておきましょう。

例えば
「なんとかなる」「大丈夫」「なんくるないさー」「ケセラセラ」など

深呼吸

ゆっくり深呼吸をすることで理性が働き、冷静な判断のもと対応が出来てきます。

記録・メモを取る

日付、場所、内容を簡潔に書きましょう。スマホのメモアプリでもいいです。

そうすることで、自分の怒りの傾向がわかり、対処もしやすくなります。

時間が経って振り返ってみると、案外どうでもいいことが多かったり、間違った指導にも気づくことが出来ます。

まとめ

多忙な業務で、言うことをなかなか聞いてくれない生徒達に突発的な感情で怒りたくなってしまうことがあると思います。

しかし、教師とは教育のプロフェッショナルです。

怒りに任せて怒るのではなく、冷静に生徒のことを考えて叱ってあげられるよう、アンガーマネジメントを取り入れてみてはどうでしょうか。

明日からの教育活動に活かしてもらえると幸いです。

応援しています。