義務教育の最終目標は「進路指導」ですから、すべての教育相談の終点も「進路指導」に行きつきます。
中学校卒業後の進路についての豊富な情報量と高校卒業後の進路や就職についての動向など生き方についての豊富な知識が教育相談の原動力となります。
したがって、1年だからとか新卒だからとかいう理由で進路指導について学ぶことを先送りしていては教育相談を満足に行うことはできません。
日々の通勤途中で週に一度は「書店」を覗くこと、スマホで再情報をチェックすることが自己を高めるための教師の職務上の義務だと言っても過言ではありません。難しい本でなくても「週刊誌」にも生徒に話す題材は山ほど隠されています。
教育相談のチャンスはいくらでもある
何気ない日常の声かけこそ生徒の心に入る教育相談
授業終了後、次が空き時間の時の廊下、掃除をしながら、帰る時に呼び止めて・・・
「将来、やってみたい仕事は・・・」「好きなことは・・・」と聞き、次の機会にその資料を見せてあげるなどのやり取りの中で人間関係が築かれていきます。また、知り得た情報は教員間での共有を忘れずに。
落ち着いた状態にある時こそ教育相談に力を入れる
荒れてから、荒れ始めてからでは教育相談はどうしても「指導」面に力点が行きがちです。落ち着いている時こそ「最近、どうや」と声をかけましょう。
こちらから電波をいつも発信しておくことが大切
少しでも褒めてあげることがあれば、家庭連絡
「~さん、最近こんなに頑張っているので、家でも褒めてあげてください」の1本の電話が家庭と担任を強く結びつけます。
子どもの問題行動についての連絡では「学校があなたの子どものために困っている」という姿勢から「あなたのお子さんが困っているのですよ」という姿勢で話をしましょう。
職員室は生徒の良い点を連絡し合う場
担任が少しでも生徒を褒めることができるように教科担任は情報発信しましょう。

欠席した時は、必ずこちらからも家庭連絡
担任から電話をかける
その日のうちに「今日、休んでいましたがお加減はどうですか」の1本をかけましょう。
親から連絡があったから良いと判断してはいけません。この1本の電話が家庭・本人と担任を結びつけます。
2日以上休んだ場合は家庭訪問
教材や配布プリントを持って「どうですか。」と家庭訪問しましょう。不在も想定して「手紙」の準備もしておきましょう。出来る限り褒める内容も準備しておきましょう。
※「先生はうちの子どもが病気で休んでいる時は、電話1本ないのに悪いことをして指導する時だけ電話をかけてくるのですね」と嫌味を言われないようにしましょう。
養護教諭の情報を大切にする
一日一回は養護教諭に声をかける姿勢
空き時間に保健室に立ち寄る姿勢が大切です。「クラスの生徒は保健室に来ていませんでしたか。」と積極的に情報を聞きに行きましょう。
保健室に行く生徒をサボりと決めつけない
担任と養護教諭との間にパイプを通しておくことが大切です。

「あなたの気持ちは分かる」を安易に言わないのが教育相談
教育相談の基本は、「聴いてあげること」
下のような経験をしている子どもたちのことは理解できない。だから「気持ちは分かるよ」と言った瞬間、二度と相談に来ないもの。
「先生には分からないけど、かなり辛いんだな」と言ってあげるべきです。
「自分が生まれたとき母親が亡くなった子どもの気持ち」「両親がけんかして二人とも行方不明で祖母に育てられている子ども」「借金が膨らみ夜逃げして転校してきた子ども」「小さな酒場で働く母親を手伝い、その調理場で寝泊まりしている子ども」「朝食を作ってくれる人がなく、作るお金もない子ども」「継父から身体的虐待を受けている子ども」等