集会での語り

集会での語り「コロナウイルスワクチンとその開発~カリコ博士~」

今日はコロナウイルスワクチンについてお話をしたいと思います。

現在、コロナウイルスワクチンは日本で約8割の人がすでに2回摂取をしています。世界全体でも約半数5割の人が摂取しているようです。世界の人口が約80億人なので40億人の人が2回摂取をしているという状況です。とても凄い数ですね。

このワクチンのおかげでコロナウイルスの感染者数や死者数は激減しました。数えきれないほどの人の命が救われたことでしょう。

このワクチンを開発したのはハンガリー出身の生化学者カタリン・カリコ博士です。カリコ博士は「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン」というワクチンを開発し、66歳の今、世界中から注目を浴びています。

mRNAというのは、ここでは”新しい薬の設計図”という認識でいてください。

カリコ博士は、大学を卒業してすぐに「mRNA」に可能性を感じ研究を始めます。

30歳の時、ハンガリーの経済が悪化し研究費の大幅カットから、カリコ博士はクビとなり失業してしまいます。

その後、ハンガリー国内だけでなくヨーロッパ中で研究者として雇ってくれるところを探しましたがありませんでした。

カリコ博士は、家族でアメリカに行って研究を続けることを決意しました。アメリカの大学に自分を必死に売り込み、研究者として雇ってもらうことが出来ました。

しかし、そこでも研究費の申請が何度も却下されなかなか思うように研究が出来ず、大学教授を降格させられました。その後、まさかのガンを患ってしまい、タイミング悪くビザの関係で家族と離れ離れになりました。

普通の人ならハンガリーに帰って、家族のいるところでガンの治療にあたると思いますが、カリコ博士は違いました。

なんと、アメリカで研究を続けたのです。

しかしその後も、やっとの思いで研究した成果もあまり認められず、教授にも昇進できず
、評価されませんでした。

研究を続けること35年でようやく、mRNAを認めてくれる人が現れ、応援してくれる企業に就職し開発が進んでいきます。

そして研究からおよそ40年が経った2017年、ようやくmRNAワクチンが成功します。

新型コロナウイルス感染拡大により、2020年に初めて実用化されて多くの人の命を救い、40年以上も続けた研究の成果が世界中に知れ渡ることとなりました。

今後も、ガン治療においてmRNAの技術が大いに役立つと予想されていますので、活躍の幅は広がっていくばかりです。

実は、カリコ博士が将来の進路を決めたのは高校時代でした。

きっかけは高校の先生がくれた一冊の本でした。

『私たちの生活とストレス』という本です。

カリコ博士は、この本から「自分のしたいことに集中して、他人を気にせずにいられる方法」を学びました。

当時、生き物が好きで研究者の道に進みたかったが世間的には地味な分野で進路を迷っていたカリコ博士。この本をきっかけに、他人を気にせず、本当に自分がなりたかった研究者を目指すことに決めました。

また、カリコ博士は研究者になって何十年も人に認められず、様々な試練に遭遇し、他人に何と思われようと、ひたすら自分の研究を続けてこられたのは、先生からもらった「自分のしたいことに集中して、他人を気にせずにいられる方法」を学ぶことが出来たこの本が役に立ったと有名になった今でも話しています。

人生はいつ、どこで、何が起こるのか誰も分かりません。

自分の決めた目標のためにひたすら努力をすることはとても美しいです。

皆さんも、他人を気にせず、本当に自分のしたいことをする人生を歩んでみてはいかがでしょうか。