勉強

日本人の7人に1人は「境界知能」!?周囲の理解・早期支援で改善も

境界知能とは

知能指数(IQ)が70~85の人達のこと境界知能と呼んでいます。

およそ14%の人達が境界知能にあたるとされていおり、日本に約1700万人いると考えられています。つまり日本人のおよそ7人に1人は、境界知能となります。

引用元:NHK

補足:知能指数(IQ)の分布

  • IQ   0~ 70: 2.3% 知的障害
  • IQ  70~ 85:13.6% 境界知能
  • IQ  85~100:34.1% 平均よりやや低い知能
  • IQ 100~115:34.1% 平均よりやや高い知能
  • IQ 115~130:13.6% 高い知能指数
  • IQ 130~   : 2.3% ギフテッド

境界知能の人が抱える問題点

勉強などを苦手とする特徴がある

  • 小学校の低学年から勉強についていけないといった極端に勉強が苦手
  • 見たり聞いたり想像する力が弱い
  • 感情をコントロールすることが苦手ですぐにキレる
  • 何でも思いつきでしてしまう
  • 予想外のことが起きると対応できない
  • 自分の問題点が分からない
  • 自信がありすぎる、または自信がなさすぎる
  • 人とのコミュニケーションが苦手

すべてが境界知能の人の特徴としてあてはまるわけではありませんが、上記のような特徴をいくつか持っていたりします。

様々な場面で苦労したり失敗したりする傾向がある

学生時代には、他の人と自分の点数が低いことで自分に対して否定的になったり、周囲からいじめられたり、からかわれたりすることで自尊感情が低くなる傾向があります。支援学校には行けないため、通常の受験をし、どうにか入れる学校に行く人が多いです。

社会に出てからも、就労支援を受けることができないため、就職がなかなか決まらなかったり、仕事で失敗を繰り返し、転職を繰り返すことになったりと苦労する人が多いのが実情です。

療育手帳がもらえず、普通の人と同じ扱いを受ける

一般的に知能指数が69以下だと知的障害と判断され療育手帳がもらえます。
療育手帳を持っていると、

  • 支援学級入級や支援学校に通うことができる
  • 生活の支援が受けやすい
  • 就労支援が受けられる
  • 障害年金を受給することができる

といった手厚い支援が受けられるのに対して、境界知能の人は、学校でも基本的には皆と同じように通常学級で過ごすことが多く、社会に出てからも上記のような支援が受けられません

境界知能の人への対策

まずは周りが「境界知能」を知って理解すること

「勉強ができないのは、あなたの努力が足りないからだ!」とか「なんでそんなに失敗ばかりするの!」と怒るのではなく、「境界知能」の多くの人が苦しんでいることを知り、理解してあげることが大切です。

早めの支援で改善も

早い段階からトレーニングを積むことで少し改善されたと報告されています。「点つなぎ」などの、学習の土台となる「認知機能」の強化に取り組むことで、状況を少し改善し、小学校の通常授業にもついていけるようになった生徒も多数います。

境界知能を知るためのおすすめの本

境界知能とグレーゾーンの子どもたち(扶桑社)

「子どもの行動に関心のある大人すべてが今スグ読むべき一冊」養老孟司さん絶賛!

50万部超の大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』の著者による生きづらい子どもたちを救う“具体的な対応策”

近年よく取り上げられる「発達障害」や「知的障害」の子どもに関する書籍は多数ありす。
しかし、発達障害や知的障害とは診断されないものの、生きづらさを感じている子どもたちがたくさんいるのを知っていますか?

IQ69以下の知的障害には該当しない一定の支援が必要な「境界知能」や何かしらの課題があるけれどはっきりした原因や状態がわかりにくい「グレーゾーン」と位置づけられる子どもたちのことです。

本書は教育現場や家庭で見逃されがちな彼ら、彼女らへの具体的な対応策を、困っている子どもたちの支援を行う「日本COG-TR学会」を主宰する著者が漫画でわかりやすく紹介しています。

ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)

児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づきます。

少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いましたが、問題の根深さは普通の学校でも同じです。

人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開しています。

困っている子を見逃すな マンガでわかる境界知能とグレーゾーンの子どもたち(扶桑社)

80万部超の大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』シリーズの著者による弱さのある子どもたちに必要な“正しい理解と効果的な支援策”

近年よく取り上げられる「発達障害」や「知的障害」の子どもに関する書籍は多数あります。

しかし、発達障害や知的障害とは診断されないものの、生きづらさを感じている子どもたちがたくさんいるのを知っていますか?

IQ69以下の知的障害には該当しない一定の支援が必要な「境界知能」や何かしらの課題があるけれどはっきりした原因や状態がわかりにくい「グレーゾーン」と位置づけられる子どもたちのことです。

本書は教育現場や家庭で見逃されがちな彼ら、彼女らへの正しい理解と効果的な支援策を、困っている子どもたちの支援を行う「日本COG-TR学会」を主宰する著者が漫画でわかりやすく紹介しています。

まとめ

日本人に7人に1人いる境界知能。社会的支援もギリギリ受けることができないことから苦しんでいる人が多くいます。

境界知能の人達に対して早めに支援してあげることで、社会とうまく折り合っている境界知能の人もいます。それだけに、社会全体が境界知能を理解し、子どものうちの早い段階で、そうした傾向に気づき、トレーニングなどの支援で支えていくことがとても重要です。