「先生の部活動指導」と「部活動支援員」とは
先生の部活動指導とは
学校の先生が部活動を指導することです。校務分掌の中の1つの仕事と位置している学校が多く、1人1つはどれかの部活に所属していることが多いです。
仕事内容は
- 実技指導
- 安全・傷害予防に関する知識、技能の指導
- 学校外での活動(大会・練習試合等)の引率
- 用具・施設の点検、管理
- 部活動の管理運営(会計管理等)
- 保護者等への連絡
- 年間・月間指導計画の作成
- 生徒指導に係る対応
- 事故が発生した場合の対応
などがあります。

部活動支援員とは
中学校・高校の部活動において、学校長の監督下で顧問の代わりに単独で指導・引率ができる学校職員のことです。大学生や専門学校生、大学院生、一般の方など18歳以上なら下記の資格を1つでも満たす方なら誰でもなることができます。
- 学校現場に勤務している会計年度任用職員
- 教員免許を取得しており、該当する種目等における児童生徒への指導実績を有する者
- 公益財団法人日本スポーツ協会又は各競技団体や関係団体等が認定する指導者資格を取得しており、かつ、当該資格に基づく児童生徒への指導実績を有する者
- 自らが該当する種目等の経験を持ち、児童生徒への指導実績がある地域等の人材で、該当する団体の代表等から部活動指導員として適格であると推薦された者
- 高等学校卒業程度の資格を有し、専門学校、大学もしくは大学院に在籍しており、自らが該当する種目等の経験を持ち、児童生徒への指導実績がある人材で、出身学校、専門学校、大学の関係者等から部活動指導員として適格であると推薦された者
といったように、スポーツインストラクター等の大きな資格が要らないので比較的誰でもなることができます。
仕事内容は、先生の部活動指導とほぼ同じです。

「先生の部活動指導」と「部活動支援員」の給料比較
例:大阪府立学校の場合
先生の部活動指導
- 2時間以上4時間未満1800円
- 4時間以上3600円
月最大 36,000円(4週間換算)
部活動支援員
- 1時間1600円
- 週最大29時間
月最大 185,600円(4週間換算)
なんと部活動支援員の方が約5倍も高い!!
問題点
2017年の部活動支援員制度化の背景として「ブラック部活」の問題があり、教員の負担軽減として新たな人材確保のため、全国的に部活動支援員の活用を進めています。しかし、現実には学校の先生から部活動の仕事がなくなったわけでなく、学校の部活動顧問の負担軽減はさほど変わらず、同じ仕事内容にも関わらず約5倍の給料の格差という問題が出てきている。
また、部活動は教員にとって、教科指導、学級経営、校務分掌と膨大な仕事の中の1つに過ぎないにも関わらず、休日勤務、拘束時間、保護者対応等の負担が大きいです。そんな中で、部活動支援員としてサポートしてくれる大学生等の方が5倍も部活動の給料が高いとなると心境は複雑でしょう。
教員の部活動手当の金額も同程度としていくのか、教員の仕事から完全に部活動を切り離していくのか、今の中途半端な状態はますます教員離れを助長するでしょう。文部科学省、スポーツ庁には早急に対策を進めて頂きたいです。