教師

教職員の異動・転勤制度、生徒指導上のデメリットを解説

生徒指導における教職員異動のデメリット

教職員は基本的に3~10年ごとに勤務校を異動します。

教職員の異動には教員間、保護者、生徒との人間関係のリセット教員のスキルアップ学校間の質の均等性確保など様々なメリットがあると考えられています。

そのことを承知のうえで、今回は生徒指導における中学校教職員異動のデメリットについて書いていきたいと思います。

教員は基本的に3~10年ごとに異動、常勤講師や非常勤講師は3年以内の異動がほとんどとなりますので、毎年、3分の1から5分の1程度の教職員入れ替わっている学校が多いです。

先ほども申し上げましたようにメリットもいくつかあるのですが、組織としてせっかく作ってきた形態を、毎年失っていくというデメリットもあります。

このデメリットは、特に生徒指導において悪い影響を与えてしまいます。

生徒指導においては、学年単位や学校単位で共通認識をし教職員がチームとして協力をし、実施していかなければならないことが多くあります。

個々の教職員で行うのではなく、学年全体、学校全体で行っていくことが必要となるだけに、毎年の異動による影響は大きいと考えられます。

例えば、

教職員がチームとなり1年間かけて必死に生徒の課題改善に効果をあげたとします。

しかし、今年度異動してきたばかりの、前年度の状況や取り組みを知らない教職員には、前年度取り組んだ過程も成果も真に理解はできません。

「荒れていると聞いてたけど、大したことないな。」

「そこまで厳しく指導しなくてもいいのに」

「この取り組みって必要なの?」

前年度からいる教職員と感覚がズレてしまうことがよくあります。

異動してきた教職員に、いくら前年度の取り組み過程や成果を話したところで、実際に生徒の変わってきた様子を目の当たりにした教職員と同じ心境にはなり得ません

そのような心境の教職員の割合が年々増えていくので、取り組みが長続きせずに終わってしまうのです。

近年では、「いじめ」「不登校」生徒の増加が問題となっています。こういった問題の多くは、とても根が深く、短期的な解決は非常に困難です。

生徒個人の背景、学校全体の取り組み、地域性といったことを加味して、長期的に教職員がチームとなって取り組む必要があります。

せっかく取り組み始めたのに、異動によって続かなったり、縮小化したり、方向性が変わってしまったりしては問題解決にはなりません。

「いじめ」や「不登校」といった問題解決のためには、今一度、教職員の異動についても議論していく必要があると考えます。