集会での語り

集会での語り「心に刺さるとげ」

皆さんはバラのとげを知っていますか?

バラには茎の部分にいくつもの小さなとげがあります。

バラのとげは、バラの芽が出てきた時から、もうすでについています。バラは人間でいうと赤ちゃんの時からすでにとげをもっているのです。

バラが赤ちゃんの時に、つまり茎がやわらかい時期にとげをとると、バラの茎には傷がついたままで、茎も折れやすくなり、成長しにくくなります。綺麗な花が咲きにくくなります。

バラのとげは、必要のないものではなく、バラにとっては、自分を守ってくれる大事な役割を果たしてくれているのです。

バラのとげは刺さったら痛いと思いますか?

「小さなとげなので、あまり痛みは無いだろう」と思いませんか?

昔から言われている、次のような言葉があります。

「バラのとげの痛みは、指に刺さった者にしか分からない」

バラのとげは、ほんの小さなとげですが、とげはとても鋭く、その傷みはとても痛いです。そんな小さなとげぐらいと思ってしまうのですが、本当です。バラのとげが刺さったことある人には分かると思います。

バラのとげは赤ちゃんの時には、自分を守るため、成長するために必要なものでしたが、大きくなってからは、人に痛い思いをさせたり、人を傷つけたりと凶器でしかありません。

実は小さなとげがあるのは、バラの花だけではありません。

他にも、小さなとげがあるのは何だと思いますか?

実は何気ない言葉や行動の中にも小さなとげが潜んでいるのです。

冗談のつもりで放った言葉やふざけたつもりの行動が、誰かを傷つけたことがありませんか?

その誰かが傷ついている時に「それぐらいのことで大げさだなあ」「絶対嘘やん」「どんだけメンタル弱いねん」と思ったことはないでしょうか?

とげの刺さった痛みは、本人にしか分からないものです。たとえ他の人からは、小さなとげで、痛みが弱そうなものに思えても、実は大きな痛みを受けていることもあります。

指に刺さるとげ以上に、心に刺さるとげは人に大きな痛みを与えることもあります。

そして指に刺さるとげと違って、心に刺さるとげは治りが遅かったり、何年もとげが抜けずに痛い思いをし続けたりします。

何気ない言葉や行動に、自分自身は何も感じていなくても、他の誰かに深く刺さり、痛い思いをさせたり、抜けずに何年も苦しませたりしていませんか。

バラの花というのは、色鮮やかで綺麗で、もらうと幸せな気持ちになります。

とげのない言葉や行動は、人を安心させ、心地よい気分にさせてくれます。

皆さんはについているとげを1つずつ切り落として、美しい花を咲かすだけの、「とげのないバラ」になりませんか?