注意欠如多動症(ADHD)の3つのパターン
多動・衝動性優勢型
「多動・衝動性優勢型」と診断される症状には、落ち着かずに座っていても手足をもじもじする、席を離れて立ち歩く、授業妨害をする、静かに遊べない、じっとしていられない、ずっと喋り続ける、順番を待てない、他人の会話やゲームに割り込む、などの症状があります。
不注意優勢型
「不注意優勢型」と診断される症状には、学校の勉強でう計算ミスや平凡なミス等のうっかりミスが多い、課題や遊びなどで集中が続かない、人の話を聞いていない、やるべきことを最後までやり遂げられない、課題や作業の計画を立てるのが苦手である、整理整頓が苦手、宿題のように集中力を必要とすることから逃げる、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、などが挙げられます。
混合型
「混合型」は多動・衝動性優勢型と不注意優勢型の症状を両方併せ持っている場合を言います。
※他にもアスペルガー症候群や極限性学習症(LD)の症状を同時に併発するケースもあります。

神経発達症(発達障害)・自閉スペクトラム・ADHD・アスペルガーって何?
「不注意優勢型」の生徒は勉強に苦労
「不注意優勢型」の特徴は、
- ミスが多い
- もの忘れが多い
- よく物を無くす
- 集中力がない・飽きっぽい
「不注意優勢型」の子どもが極限性学習症(LD)を併せ持っていなかったとしても、上記のような特徴があることから、基本的には勉強が得意ではない子が多いです。
本人が勉強が好きではなく、やらせてみてもあまり見込みがないようであれば、無理をせずに好きなことに熱意を注がせてみるのも手です。
子ども本人がテストの点を上げたいと強く思っているのなら一緒に勉強をしてあげるのが良いですが、不注意優勢型ではない子どもの何倍もの手間と労力がかかることは間違いないです。
同じ失敗の繰り返し・・・
毎日のように同じ失敗を繰り返してしまいます。
忘れ物、物を無くす、物を壊す、約束を守らない、ルールを忘れる・・・
これは意図的に失敗しているのかと感情的に怒りたくなる場面も多々ありますが、特徴をきちんと知り理解してあげることが大切です。
学習面においても、「昨日勉強したことを全く覚えていない」ということが常に起こります。
知識を習得するために何回も何回も根気強く、毎日同じことの繰り返しをするしかありません。
例えば、
数学のある問題を間違える
→その場で正しい解き方を教える
→理解でき満足気な様子である
→次の日にまた同じ問題をやると、また同じやり方で間違える。
→もう一度正しい解き方を教える。
→思い出して理解しなおす。
→次の日にまた同じ問題をやると、また同じやり方で間違える。
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→次の日にまた同じ問題をやると、また同じやり方で間違える。
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といったサイクルを何度も繰り返します。
本人にやる気がないのかと怒りたくなるかもしれませんが、やる気がないのではありません。
人より労力は必要ですが、何度も何度も繰り返すことで必ず定着しますので根気強く教えましょう。

強制ではなく自主性を
「何時から何時まで勉強」というように、勉強時間を徹底して管理するような強制するやり方では勉強を嫌いになっていきます。
強制ではなく子どもの自主性に任せるやり方を模索しなければなりません。
はじめはご褒美などを用意して自ら勉強し始められる方法を探しましょう。
これがかなり大事なことで、「やらされている」のと仕方なくでも「自分からやる」のとでは、同じことをしても身につく程度がかなり違ってきます。
「とにかく勉強を始める」ことを習慣化させることが大切です。
少しでも自主性を感じられる場面があったら全力で褒めてあげましょう。

不注意優勢型の子どもの勉強方法
不注意優勢型の勉強法は2つのポイントが大事です。
- 難しい問題は捨てる。
- とにかく何度も何度も繰り返す。
やはり理解力が不足していますので、時間を効率的に使うためにも1割の難しい問題は捨てる勇気が必要です。
あとは繰り返しに耐える。
覚えられず結果が出なくてもあせらずに信じ続けてください。

まとめ
やはり「不注意優勢型」の子どもが「一人で勉強をする」というのは難しいです。
強制では長い期間続かないので自主性が少しでもあることが必要な条件になります。
とにかく「繰り返す」ことが延々と続くので、教える側も根気勝負になってきます。
ですが、あきらめなければ、子どもは必ず成長します。